不用品の売買や譲渡、交流会の参加募集など、地元民同士の繋がりを支援する掲示板サイト「ジモティー」。ウェブメディア運営企業の括りで同業他社と比べると今期予想PERはやや割高ですが、運営サイトのPV数は順調に伸びており今期は会社予想を超える業績になりそうです。現在は調整局面ですが月間1,000万人が利用するサービスで時価総額は200億もなく、ここで終わる銘柄ではないと思っています。
このページでは、ジモティーの直近の業績予測に関する考察を書きました。
ジモティーの収益/コスト構造
業績を予測するにあたり、前提として抑えておきたいのが収益とコスト構造。
収益については、運営サイトからのPV数でアドネットワーク広告が8割を占め、当面の間はアドネットワーク広告が主な収益になります。
- アドネットワーク広告:8割
- PR課金・アフィリエイト広告:2割
コストに関しては、売上原価率はおよそ10%、そこから一般管理費およそ150百万円(四半期)を差し引いた金額が営業利益になります。さらに3月/10月/11月はテレビCM等の広告宣伝費が上乗せされます。つまり、1Qと4Qは利益が圧縮されます。
この傾向は今後も続く見込みです。
3Q/4Q業績予想
前述の通り、売上高の8割がアドネットワーク広告のため「PV数 × 広告単価」でおおよその業績を算出できます。
厳密にいえば、アドネットワーク広告の収益の計算式はクリック数 × 広告平均単価ですが、過去の業績は概ねPV数と広告単価に比例しているのでこちらの方法で計算します。
アクセス解析ツールで確認したところ、7月-9月のアクセス数(≠PV数)は2Q比(4月-6月)で10.4%増。
広告単価は新型コロナの影響で2Qは落ち込みましたが決算説明資料でも回復傾向とので、ネット広告全体の動向を確認する限りでは最悪期である緊急事態宣言の期間から50%以上は回復しているとみられています。
3Qは以下KPIと仮定して算出すると、売上高1,161百万円、営業利益433百万円、EPSが54
- 月次平均PV数:10%増の897,411,000件
- eCPM/自動配信:137円(20年1/2Qから70%回復)
- 売上原価率10%
- 一般管理費150万円
- 広告宣伝費0円
4Qは10%のPV成長率で広告宣伝費200百万円と仮定すると、営業利益541百万円EPS64で会社予想(営利306百万円)を大きく上回ると予想しています。
やはり鍵となるのはPV数ですが、ジモティーのアクセスを詳細に確認すると以下の通り直接流入が多く検索キーワードも指名検索(例:ジモティー、ジモティー 東京)が上位を占めることから、固定ユーザーが多く検索エンジンの影響を受けにくい構成のため、新規参入など業界のビックチェンジが起きない限り極端に減ることはないと考えています。推移に注視しつつもしばらくは成長に陰りはないと思います。